





















展示デザイン
2024
写真植字の発明100年を記念した企画展「写真植字の百年」では、その歴史や各時代を代表する書体デザインの資料が展示された。
メインの空間には、本展を象徴する写植機が設置され、その後方に機器開発の歴史をまとめた20mを超える年表が展開されている。年表には、写植機のパンフレットや関連資料をリズミカルに配置することで、当時の空気感や活気を伝えている。
キャプションやバナーには写植時代を代表する書体である石井明朝を中心に、写植書体としてリリースされ、その後改刻された書体を採用。また、書体の混植や図版と文字の一体的な構成など、当時の特徴的な文字組みを意識的に取り入れた。
写植機を除けば、展示資料の多くはサイズや厚みにおいて控えめなものであった。そこで、キャプションやバナーなどの展示グラフィックに展示物に拮抗しうる視覚的な見応えやタイポグラフィとしての質を持たせることで、写植という文化の魅力や熱を伝えることを目指した。